母親が亡くなり、海外在住の長男と連絡がつかず、手続きがとれずに困っていたケース
状況
A男さんは、自宅の不動産を母親のC子さんと半分ずつの共有で所有していましたが、今回C子さんが亡くなったことにより、名義変更の手続きをする必要がありました。
と言うのも、A男さんには住宅ローンがあり、低金利の金融機関へ借り換えをしようとしたのですが、亡くなったC子さんの名義が残ったままでは手続きができなかったのです。
相続人はA男さんと兄のB郎さんのみで、父親のD介さんは既に他界しています。早速名義変更のため兄のB郎さんに連絡をとろうとしたのですが、B郎さんと連絡がつきません。B郎さんは、十数年以上前からアメリカに住んでおり、数年前までは連絡がついたのですが、今回メールを送っても返信がなく、電話をかけても繋がりません。
A男さんは不動産の名義を変えることができず、どうして良いのか分からなく困っていました。
提案・お手伝い
B郎さんが行方不明の場合、家庭裁判所でB郎さんのために不在者財産管理人を選任してもらい、その管理人と共に遺産分割をすることになります。
ただし、不在者財産管理人と遺産分割する場合は、B郎さんのために法定相続分を確保しなければならないので、お母様の遺産の全てをA男さんが相続することは難しくなります。
また、海外に居住している方のために不在者財産管理人の選任申立てをする場合は、あらかじめ外務省に所在調査を依頼しなくてはなりません。
結果
外務省へ所在調査を依頼したところ、外務省ではB郎さんの所在が判明したようで、直接外務省からB郎さんへ連絡をしてもらいました。後日B郎さんからA男さんのところへ電話で連絡がありましたので、A男さんが全て相続するとのことで合意し、当方から遺産分割協議書をB郎さんへ郵送したところ、署名、サインを頂くことができました。領事館発行のサイン証明書及び在留証明書もお送り頂けたので、それらの書類を基に、無事にA男さんへの名義変更手続きをすることができました。
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